東京医科大学 濱田。 緊急事態宣言、解除後の旅行再開は-再び東医大・濱田氏に聞く

濱田 由紀

東京医科大学 濱田

2020年1月20日、中国湖北省武漢で肺炎の発生の原因として特定されたコロナウイルスの発生源とみられ閉鎖された華南海鮮卸売市場近くのバス停留所で待機しているマスク着用の中国人居住者 EPA=時事 写真提供:時事通信社 新型コロナウイルス~感染者は2000人以上 中国の武漢から発生した新型コロナウイルスの患者数は世界中で2000人を超え、中国国内での死者は56人となった。 また日本でも週末、いずれも武漢市在住で、観光で東京を訪れた40代男性と30代女性、そして愛知県を訪れた40代男性の3人の発症が確認され、これまで合計4人の感染が確認されている。 飯田)中国政府は日本を含む海外への団体旅行を、27日から当面の間は中止することを決定しています。 また中国の保健当局は、感染力がやや強くなっているとみられると発表しています。 拡大のスピードが一層早くなっていて、患者数は今後も一定程度増えるだろうと危機感を示しています。 この時間は海外での感染症事情にも詳しい、東京医科大学病院教授で渡航者医療センターの濱田篤郎さんに現状、取るべき対策について伺います。 まず感染者が2000人を超えたという発表ですが、専門家の方はどのようにご覧になっていますか? 濱田)確かにスピードが上がっています。 1週間で約10倍に増えているということです。 飯田)感染力が強くなっているというのは、早くなっていることの原因の1つですか? 濱田)患者数が増えているのは、中国で検査が積極的に行われるようになったということもありますが、もう1つ、毒性が低いので重症にならないわけです。 そうすると患者さんが動き回ってしまう。 その結果、患者数が増えるということもあると思います。 それから、ウイルスの感染力が上がっている可能性もあるかもしれません。 中国大陸の各省と台湾における感染者の累計確認件数(2019年-2020年中国武漢における肺炎の流行-Wikipediaより) 武漢以外に拡がればWHOが緊急事態宣言を出す可能性がある 飯田)WHOは緊急事態宣言を、現状では出していません。 検討はしているけれども、と言うことを繰り返していますが、出たらまたフェーズが変わって来ますか? 濱田)そうですね。 WHOがいま注目しているのは、武漢はもうヒト-ヒト感染が持続的に起こっているということですが、それ以外の中国の都市、北京や上海、広州、こういうところではどうかと。 同じような事態になれば、緊急事態宣言を出す可能性があります。 飯田)でも武漢だけで1000万人以上の人口がいるとなると、普通だと小国か中規模くらいの国のレベルでしょうね。 濱田)人口的にはそういうことになりますね。 飯田)一国というレベルではないけれども、もう出してもいいのではないかという気もしますが、出すとインパクトが大きいということですか? 濱田)経済的にも周辺諸国に影響を与えますし、あくまでもWHOの宣言は国際的な緊急事態ということです。 いま現在は中国内での緊急事態ではあるけれど、というような言い方をしています。 飯田)もし緊急事態宣言が出た場合、日本の対応も変わりますか? 各地に対策チーム派遣 新型肺炎の〝発生源〟とみられ、閉鎖されている中国湖北省武漢市の海鮮市場=2020年1月17日(共同) 写真提供:共同通信社 緊急事態宣言が出た場合 濱田)日本ではもっと検疫が強化されますし、患者さんが見つかった場合には、ある程度隔離をして収容するということも行われる。 それから毒性が強くなった場合には、日本国内でも一定の社会生活に制約が加わる可能性もあります。 飯田)その辺には、何か根拠法などがあるのですか? 濱田)2012年の新型インフルエンザ等対策特別措置法などは、新型インフルエンザだけではなくて、こういう新しい感染症が発生した場合にもある程度適応される法律です。 飯田)だからわざわざ「等」をつけているということですね。 今回チャーター機を使って、希望される方は日本へ帰って来るという運びになりそうですが、帰って来た方々はそのまま家に戻すという形が適切なのか、少し時間を置いて経過観察した方がいいのか…。 濱田)これも政府の方では考えていると思いますが、大体2週間くらいがこういう感染症を観察する期間なので、それくらいは経過観察した上で、街に出ていただいた方がいいかもしれません。 飯田)スタジオには、ジャーナリストの須田慎一郎さんもいらっしゃいます。 【新型コロナウイルス 関空警戒】サーモグラフィーで乗客の体温がチェックされていた=2020年1月23日午前、関西国際空港 写真提供:産経新聞社 この1週間が重要~SARSのときは収束するまで半年~東京オリンピックの開催に重なる 須田)感染者数が増えている、感染が広がっているという状況のなかで伺うのは不適切なのかも知れませんが、この種の感染症で収束に向けての目処、収束になって行くスケジュール感はあるのでしょうか? 濱田)現在どうなるかということは読めないのですが、とにかくこの1週間が重要だと思います。 1週間でさらに中国国内で広がるようだと、WHOが宣言を出す。 SARSと同じような状況になる可能性はあると思います。 毒性は低いですけれどね。 そうなると、SARSが収束するまでに半年はかかっているので、今回もそれくらいの期間はかかってしまうかもしれません。 飯田)そうなると、オリンピック・パラリンピックに重なる可能性がありますね。 濱田)その辺が非常に懸念されるところなのですが、それくらいまでの長期の視野を入れたいろいろな対策、対応が必要だと思います。 飯田)一般の国民として社会生活を営む上で、毒性が低いということは、予防のしようもあるということですよね?.

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新型コロナ 暖かくなったら収まる?

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宣言による感染拡大の抑止効果については、ウイルスの潜伏期間が最長2週間であることを考えると、4月下旬以降になってみないと分からない。 東京都の新たな感染者数については4月以降、毎日100人から200人の間を増えたり減ったりしながら推移しているが、7割から8割程度の感染経路が不明なので、すでに「感染拡大期」を過ぎて「蔓延期」に入ったと考えていい。 他の6府県もそれに近い状態なので、宣言が発令されたのだろう。 政府の諮問委員会の会長を務めた尾身茂先生は、累積の感染者数、感染経路が不明な症例の割合、感染者数が2倍になった日数の3つを指標としたことを説明されていた。 とはいえ日本の感染者数は、かつてのイタリアやスペイン、米国などのように爆発的に増加して、指数関数的に伸びているわけではない。 そしてそれらの国々も、専門家の間ではピークアウトに近づきつつあると見られている。 -都市封鎖が無ければ罰則もほぼ無い、性善説に基づいた国民運動にようにも見えますが、本当に人間同士の接触機会が7割から8割も減り、1ヶ月で感染者増がピークアウトするものでしょうか 濱田 日本では他国のような、罰則を伴う外出禁止令を出すことは難しい。 2012年に成立した新型インフルエンザ等対策特別措置法では、緊急事態宣言を発出した際には一般の企業従事者には業務を縮小して家にいてもらう一方、医療従事者などの社会機能維持者には業務の継続を求めている。 外出を7割から8割自粛することについては、位置情報データの集計結果などを見てもなかなか難しいようだが、いずれにせよ政府の専門家委員会は、最悪の事態を想定した上で指針を決定したと思う。 それに従って政府も対策を決め、医療機関も対応している。

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海外健康生活Q&A

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新型コロナウイルスの流行が世界各地に拡大しています。 世界保健機関 WHO によると、3月9日の時点で100以上の国と地域で感染者が確認されており、各国の合計感染者数は10万人以上になりました。 日本でも2月中旬から国内感染者数が増加しており、これから流行がピークを迎えると考えられています。 そんな中、WHOは6日に「夏になって流行が終わる根拠はない」との声明を発表し、各国が流行対策をさらに推進することを要請しました。 読者の皆さんの中にも、暖かくなったら流行が収まると考えている人が多いと思いますが、気温が上昇しても新型コロナウイルスの流行は続くのでしょうか。 今回のコラムではこの点を解説します。 WHOは6日に出した声明で、「新型コロナの流行がインフルエンザのように暖かくなると終わるわけではない」と説明しています。 日本など温帯の国では毎年冬にインフルエンザが流行し、春の到来とともに終息します。 新型コロナもインフルエンザと同じく飛沫(ひまつ)感染や接触感染で拡大するため、多くの人が同様の流行パターンになると考えますが、WHOは「それは違う」と言っているわけです。 では、なぜインフルエンザは冬に流行するのでしょうか。 これは気温が低下するためです。 気温が低下すると多くの人が屋内で生活するため、人と人の距離が接近し、飛沫感染や接触感染がおこりやすくなります。 日本の冬は乾燥していますが、それは大きな要因ではありません。 ちなみに、西ヨーロッパでは冬に雨が降ることが多く、あまり乾燥していません。 はまだ・あつお 1981年、東京慈恵会医科大学卒業。 84~86年に米国Case Western Reserve大学に留学し、熱帯感染症学と渡航医学を修得する。 帰国後、東京慈恵会医科大学・熱帯医学教室講師を経て、2005年9月~10年3月は労働者健康福祉機構・海外勤務健康管理センター所長代理を務めた。 10年7月から東京医科大学教授、東京医科大学病院渡航者医療センター部長に就任。 海外勤務者や海外旅行者の診療にあたりながら、国や東京都などの感染症対策事業に携わる。 11年8月~16年7月には日本渡航医学会理事長を務めた。 19年3月まで「」を執筆した。

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