君 の いない 部屋 愛 の 光 を 抱きしめ たら まだ いる 気 が し て。 '97

詩の朗読「俺が父さんに猟銃で撃ち殺されたことは花井花子には内緒にしておいてくれないかな/君の愛が輝いている(Your love is shining)」竹下力|竹下力|note

君 の いない 部屋 愛 の 光 を 抱きしめ たら まだ いる 気 が し て

もうこんな、時間か…と他人事の様に携帯の時間を確認した。 ずっと…時が止まれば良いのに…とうっすらと思ってしまった。 朝の出来事が鮮明に思い浮かぶ… 御幸がノーマルなのは知っていた… だからこそ、ひっそりと想っていようと考えていたのに… そんな事を考えていたら、目の奥が熱くなるのを感じた… 沢(あんなに泣いたのに…まだ涙って出るんだ…) 心の中で自分に語りかけた。 倉持の暖かな手… 増子の柔らかい笑み… 二人と一緒に自分の住む5号室に足を踏み入れた瞬間に目の前が暗くなった。 気が抜けたのかは分からないが沢村は部屋の温もりや両脇にいる先輩二人の温もりに安心したんだと思った。 二人の優しさが本当に嬉しくて仕方なかった。 そんな事を考えていると扉の叩く音に身体が硬直した。 沢(まさか…違う…ここは…地元じゃないんだ…彼奴らが居るわけない…) だが、身体が言う事を聞かなかった。 震える身体… 地元であった事… 走馬灯の様に頭の中で駆け巡った。 だが、それは、一気に落ち着く事になる。 春「栄純君?いないの?」 金「沢村?寝てんのか?」 春市と金丸の声に足が勝手に動いた。 ゆっくりと鍵を開けて、扉を開く沢村。 沢「は…春っち…金丸…あ…降谷。 」 3人の顔を見ると震えていた身体が漸く動きだした。 顔色の悪い沢村をそれぞれが気付いた。 春「寝てた?」 沢「ううん…起きてた…あ…皆、部活は?」 金「今からだ。 沢村…後でまた来るからよ。 ゆっくり休んでろ。 」 金丸の言葉に優しさが含まれていて、沢村はまた目頭熱くなるのを感じて頷く事しか出来なかった。 不意に… 降「ねぇ…大丈夫?」 沢「え?」 降「様子が…違うから…」 沢「…な、何で…も…ないから…わりぃな…部活…休んで…明日には…学校にも部活にも出るから…」 明らかに様子の違う沢村に降谷もまた、春市達も相槌を返すだけで精一杯だった。 春「…倉持先輩、部活始まる前に栄純君の所に行ったんですけど…」 休憩中に先程の沢村の様子を倉持に伝えた。 倉持はグラウンドから、寮へと目を向けた。 倉「彼奴…何かトラウマがあるのか…」 春「分かりませんが…ノックした時も直ぐに出てこなくて…」 倉「分かった…沢村には俺から話を聞いてみる。 」 春「お願いします…早く栄純君の元気なあの笑顔が見たいので。 」 倉持は春市のその言葉にそうだな…と呟いた。 そんな中、降谷が一言ボソリと呟いた… 御幸は何を言ったか全く聞こえなかった為、どうした…と言いながら降谷の元へと向かった。 降「…………御幸先輩…後でお話があるんですが…」 御「たく…今じゃダメなのか?」 降「御幸先輩の事だから…分かってるんじゃないですか?」 降谷のその言葉に御幸は顔をしかめた。 二人の空気を破ったのはクリスだった。 ク「止めろ…部活中だ…」 二人はクリスの言葉に睨み合いながらも言葉を出す事はなかった。 そんな二人にクリスは小さくタメ息をついた。 二人の雰囲気はピリピリとしていた。 クリスはどうしたもんかと悩ませたが一言鋭い言葉を二人に向けた。 ク「全くお前達は…今から、練習が終わるまでグラウンドを走ってこい…」 御幸と降谷ははい…と呟くように返事をし、ブルペンからグラウンドへと向かった。 そんな二人を何度めになるか分からないタメ息を今度は深く吐き出した。 [newpage] 春「倉持先輩…栄純君どうですか?」 練習も終わり個々での夕食の時間に春市は倉持に沢村の様子を訪ねた。 あの様子からずっと気になっていた。 青い白くなって怯えた様な顔に。 そんな春市に倉持は小さなタメ息をついた。 倉「…あまり調子は良くねぇな…飯もいらないって言いやがったからな…」 春「そうですか…俺、今から、部屋に行っても良いですか?」 倉「あぁ…大丈夫だ。 今、増子先輩がいるから、行って良いぞ…後な沢村だが…ちょっと雰囲気が違う…だからと言って変に動揺しないでくれな。 いつも通り普通に接してもらう方がいいから…」 春市は驚いたが倉持の表情を見て、何も言えなくなってしまった。 どう言う事なのか… この目で見るまでは… 倉持の言っている事が沢村に会った事で明らかになった。 部活前とは違う沢村の様子。 増子先輩の側から離れようともしない沢村。 何かに怯えた瞳に春市は倉持の普通に…と言う言葉が、頭に浮かんだ。 春「栄純君、体調大丈夫?」 頭の中で普通に普通にとそれだけを意識しながら喋りかけた。 沢村の側にいた増子か笑顔を見せて、 増「沢村ちゃん、亮介の弟君だ。 」 沢「は…は…春…春っち…大丈夫だから…有難う…プリン…食べる?」 何処かぎこちない沢村に春市は何故だか涙が出そうになった。 だが、それを見せる事なく頷き、 春「もらおうかな。 栄純君のお勧め?」 沢「…うん………増子先輩と二人でお気に入り…」 春「そっか。 有難う。 」 いつもの沢村なら笑顔で話しかけてくるのに、無表情のまま話すその表情は春市にとって、苦しくて仕方なかった。 大事な友人が昨日とは変わっていく事に不安 しかなかった。 [newpage] 御「で?話ってなんだよ…」 御幸はさも不機嫌ですと言わんばかりに降谷に話し掛けた。 降谷はスッと顔色をかえた。 降「………先輩らしくありませんね…大体…分かってると思いますが…」 そんな降谷の言葉に分りやすく大きなタメ息をついた。 降谷がその質問を投げ掛けてきた時、御幸はは?と気の抜けた返事しか出来なかった。 降谷はそんな御幸にもういいです…と静かに去っていった。 降谷の考えが分からなかったが… 御「好き……なのか…沢村を。 」 有り得ないと思ったいる自分。 でも…このモヤモヤした感情が降谷の言葉によって少し落ち着いたように御幸は感じた。 クソッと小さく吐き捨てて、眠りに付く事に徹した。 春市や金丸が来ていても言葉を出すがいつもの笑顔を出す事はなかった。 まだ、昨日まで辛そうにしながらも笑顔だけは出していたのに… そして、増子と倉持の側から離れる事をしなかった。 増子がいない時は倉持に。 倉持がいない時は増子に。 誰が来てもオドオドした様子をしながら、この二人の側を離れずに部屋に来た部員と話をするそんな感じだった。 倉「増子先輩…」 増「うむ…このままじゃ…」 倉「俺…ちょっと沢村の携帯から幼馴染みに電話をしようと思います…上京前に何か合った筈ですから…」 沢村の頭を撫でながら倉持は増子にそう伝えた。

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詩の朗読「俺が父さんに猟銃で撃ち殺されたことは花井花子には内緒にしておいてくれないかな/君の愛が輝いている(Your love is shining)」竹下力|竹下力|note

君 の いない 部屋 愛 の 光 を 抱きしめ たら まだ いる 気 が し て

もうこんな、時間か…と他人事の様に携帯の時間を確認した。 ずっと…時が止まれば良いのに…とうっすらと思ってしまった。 朝の出来事が鮮明に思い浮かぶ… 御幸がノーマルなのは知っていた… だからこそ、ひっそりと想っていようと考えていたのに… そんな事を考えていたら、目の奥が熱くなるのを感じた… 沢(あんなに泣いたのに…まだ涙って出るんだ…) 心の中で自分に語りかけた。 倉持の暖かな手… 増子の柔らかい笑み… 二人と一緒に自分の住む5号室に足を踏み入れた瞬間に目の前が暗くなった。 気が抜けたのかは分からないが沢村は部屋の温もりや両脇にいる先輩二人の温もりに安心したんだと思った。 二人の優しさが本当に嬉しくて仕方なかった。 そんな事を考えていると扉の叩く音に身体が硬直した。 沢(まさか…違う…ここは…地元じゃないんだ…彼奴らが居るわけない…) だが、身体が言う事を聞かなかった。 震える身体… 地元であった事… 走馬灯の様に頭の中で駆け巡った。 だが、それは、一気に落ち着く事になる。 春「栄純君?いないの?」 金「沢村?寝てんのか?」 春市と金丸の声に足が勝手に動いた。 ゆっくりと鍵を開けて、扉を開く沢村。 沢「は…春っち…金丸…あ…降谷。 」 3人の顔を見ると震えていた身体が漸く動きだした。 顔色の悪い沢村をそれぞれが気付いた。 春「寝てた?」 沢「ううん…起きてた…あ…皆、部活は?」 金「今からだ。 沢村…後でまた来るからよ。 ゆっくり休んでろ。 」 金丸の言葉に優しさが含まれていて、沢村はまた目頭熱くなるのを感じて頷く事しか出来なかった。 不意に… 降「ねぇ…大丈夫?」 沢「え?」 降「様子が…違うから…」 沢「…な、何で…も…ないから…わりぃな…部活…休んで…明日には…学校にも部活にも出るから…」 明らかに様子の違う沢村に降谷もまた、春市達も相槌を返すだけで精一杯だった。 春「…倉持先輩、部活始まる前に栄純君の所に行ったんですけど…」 休憩中に先程の沢村の様子を倉持に伝えた。 倉持はグラウンドから、寮へと目を向けた。 倉「彼奴…何かトラウマがあるのか…」 春「分かりませんが…ノックした時も直ぐに出てこなくて…」 倉「分かった…沢村には俺から話を聞いてみる。 」 春「お願いします…早く栄純君の元気なあの笑顔が見たいので。 」 倉持は春市のその言葉にそうだな…と呟いた。 そんな中、降谷が一言ボソリと呟いた… 御幸は何を言ったか全く聞こえなかった為、どうした…と言いながら降谷の元へと向かった。 降「…………御幸先輩…後でお話があるんですが…」 御「たく…今じゃダメなのか?」 降「御幸先輩の事だから…分かってるんじゃないですか?」 降谷のその言葉に御幸は顔をしかめた。 二人の空気を破ったのはクリスだった。 ク「止めろ…部活中だ…」 二人はクリスの言葉に睨み合いながらも言葉を出す事はなかった。 そんな二人にクリスは小さくタメ息をついた。 二人の雰囲気はピリピリとしていた。 クリスはどうしたもんかと悩ませたが一言鋭い言葉を二人に向けた。 ク「全くお前達は…今から、練習が終わるまでグラウンドを走ってこい…」 御幸と降谷ははい…と呟くように返事をし、ブルペンからグラウンドへと向かった。 そんな二人を何度めになるか分からないタメ息を今度は深く吐き出した。 [newpage] 春「倉持先輩…栄純君どうですか?」 練習も終わり個々での夕食の時間に春市は倉持に沢村の様子を訪ねた。 あの様子からずっと気になっていた。 青い白くなって怯えた様な顔に。 そんな春市に倉持は小さなタメ息をついた。 倉「…あまり調子は良くねぇな…飯もいらないって言いやがったからな…」 春「そうですか…俺、今から、部屋に行っても良いですか?」 倉「あぁ…大丈夫だ。 今、増子先輩がいるから、行って良いぞ…後な沢村だが…ちょっと雰囲気が違う…だからと言って変に動揺しないでくれな。 いつも通り普通に接してもらう方がいいから…」 春市は驚いたが倉持の表情を見て、何も言えなくなってしまった。 どう言う事なのか… この目で見るまでは… 倉持の言っている事が沢村に会った事で明らかになった。 部活前とは違う沢村の様子。 増子先輩の側から離れようともしない沢村。 何かに怯えた瞳に春市は倉持の普通に…と言う言葉が、頭に浮かんだ。 春「栄純君、体調大丈夫?」 頭の中で普通に普通にとそれだけを意識しながら喋りかけた。 沢村の側にいた増子か笑顔を見せて、 増「沢村ちゃん、亮介の弟君だ。 」 沢「は…は…春…春っち…大丈夫だから…有難う…プリン…食べる?」 何処かぎこちない沢村に春市は何故だか涙が出そうになった。 だが、それを見せる事なく頷き、 春「もらおうかな。 栄純君のお勧め?」 沢「…うん………増子先輩と二人でお気に入り…」 春「そっか。 有難う。 」 いつもの沢村なら笑顔で話しかけてくるのに、無表情のまま話すその表情は春市にとって、苦しくて仕方なかった。 大事な友人が昨日とは変わっていく事に不安 しかなかった。 [newpage] 御「で?話ってなんだよ…」 御幸はさも不機嫌ですと言わんばかりに降谷に話し掛けた。 降谷はスッと顔色をかえた。 降「………先輩らしくありませんね…大体…分かってると思いますが…」 そんな降谷の言葉に分りやすく大きなタメ息をついた。 降谷がその質問を投げ掛けてきた時、御幸はは?と気の抜けた返事しか出来なかった。 降谷はそんな御幸にもういいです…と静かに去っていった。 降谷の考えが分からなかったが… 御「好き……なのか…沢村を。 」 有り得ないと思ったいる自分。 でも…このモヤモヤした感情が降谷の言葉によって少し落ち着いたように御幸は感じた。 クソッと小さく吐き捨てて、眠りに付く事に徹した。 春市や金丸が来ていても言葉を出すがいつもの笑顔を出す事はなかった。 まだ、昨日まで辛そうにしながらも笑顔だけは出していたのに… そして、増子と倉持の側から離れる事をしなかった。 増子がいない時は倉持に。 倉持がいない時は増子に。 誰が来てもオドオドした様子をしながら、この二人の側を離れずに部屋に来た部員と話をするそんな感じだった。 倉「増子先輩…」 増「うむ…このままじゃ…」 倉「俺…ちょっと沢村の携帯から幼馴染みに電話をしようと思います…上京前に何か合った筈ですから…」 沢村の頭を撫でながら倉持は増子にそう伝えた。

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#7 無表情の笑顔…【7章】

君 の いない 部屋 愛 の 光 を 抱きしめ たら まだ いる 気 が し て

俺が親父に猟銃で脳味噌をぶっ飛ばされて撃ち殺されたとき、自分が死ぬなんてこれっぽっちも思いもしなかったよ。 親父がお袋をビール瓶でぶん殴って、ガラス瓶を粉々にしたみたいに意識がバラバラになっちまったのに、まだ死ぬなんて思いもしなかった。 脳味噌がぶっ飛んで、目も鼻も口も、木っ端微塵なのに、全部の意識が生きてるって言ってるんだよ。 バラバラの意識のプリズムに俺の思い出が写ってるんだ。 俺が生まれた瞬間とか、俺が初めてキスをした瞬間とか、俺が初めてヤッちまったお袋のこととか、花井花子を愛しすぎてファックしながら泣いちゃったりすることとか、なんだか、すげえことだって思った。 それをみていたら死なないって思うもんな。 死んでみなきゃ、死ぬことがわからないもんやね。 すげえ発見だよ。 総理大臣から何かの賞をもらえそうさ。 とにかく、死ぬなんて考えもしないわけ。 俺はこのまま頭を猟銃でぶっ放されたって、そのまま、花井花子の家に行って、彼女のおっぱいを触ったり、クンニしたりすると思っていたよ。 死ぬなんてこれっぽちも考えつかないんだよ。 だけど、なんとなくわかるわけだ。 俺は孤独になっちまったってね。 俺には愛が必要だよ。 たぶん、みんなの想像以上にさ。 愛を出産して欲しいぐらいさ。 やっぱり愛だよな。 この世界。 愛、愛、愛、ってことさ。 誰にって? そりゃ、花井花子にね。 彼女に愛されたいんだよ。 彼女に愛されなくちゃ俺の生きてる意味はないって感じで。 彼女は42歳で俺より20個も上で、垂れ乳で、右のおっぱいと左のおっぱいの形が違っていて、なんでも盲目の人なんだよ。 子供の頃、麻疹だかなんだかで、失明しちゃったらしいんだ。 でもさ。 すげえ見えてるよ。 変な言い方だけど。 見えないものさえ見えてると言うかさ。 俺は尊敬してた。 恐れ多いぐらいにね。 でも、彼女を抱きしめていると愛に満ちた。 怖いものなんて何もなかった。 俺の仕草とか、俺の顔とか、俺のペニスの大きさとか、なんでもわかってくれたよ。 俺がどんだけ孤独で、どんだけ、総理大臣が嫌いで(冗談だよ)、花井花子のことを愛しているかさ。 「あなたはあの人よりも大きくないね」って言われてフェラされた時は、流石に落ち込んだけど。 結構残酷なんだよね。 別に、ペニスの大きさぐらいどうでもいいけどさ。 あの人って誰?って思うじゃん? ちょっと詳しい話をするとさ、母親は、親父に家計のために無理やり売春(バイ)させられてて、そうしたら頭がイカれちまって、あたり構わず売春(バイ)しだすから評判になっちまったんだよ。 おサセがいる竹下家ってさ。 それで性病になって、それでもあたり構わず伝染すんだよ。 痺れを切らした親父が灘岡精神病院に送り込んで電気ショック受けさせてて、いなかったんだ。 俺は腹が立ってたよ。 そりゃね。 お袋をそんな目に合わせるんだからさ。 だってさ、俺に性教育してくれたのはお袋だったわけ。 だって初めての相手はお袋だもん。 灘岡団地のすげえ狭い部屋でさ。 親父がいない時、12歳の頃に、「あんたもしっとかなくちゃ、女の子に迷惑をかけるから、私で勉強しておきなさい」って。 そりゃ、そうだよね。 うん、女の子を傷つけちゃダメだ。 池田勇人みたいにさ。 「一億円で純血が守られるなら安い」ってやつ? なんだっけ、そんなものあったよな。 いつか親父に目に物見せてやるって思ってた。 お袋と花井花子は同じ灘岡三好保育員の先生だったんだよ。 で、同い年ってことで仲良くなって。 よく家に連れてきたんだ。 そうしたら自然と彼女も家に遊びにくるようになった。 お袋が病院に行っちゃっても、それでも遊びに来てくれた。 俺のことを心配さえしてくれた。 俺も心を許してたから、彼女に家の合鍵を渡したりしててさ。 そうすると、ひとりじゃ寂しいでしょって。 俺の股座を触りながら。 「あなたお母さんとヤッたんでしょ」なんてさ。 「あなたのことはすべてお見通しなの」ってさ。 それで俺は惚れたはれたってわけだ。 そりゃ、そうかね。 そうでもないかな? うん、人生って何が起こるかわかんない。 それで俺がなんで猟銃でぶっ飛ばされるかって言うとね。 その日は不思議な日だった。 なんでそんなことが起こるんだろうっていう感じだね。 彼女は保育園の仕事帰りに、ひとりで家にやってくると、畳の部屋にいて、青いワンピースでさ、白いソックスで、とても42歳には見えなかったね。 なんかさ、14歳の女の子のように見えるんだ。 いつもそうだよ。 ひとりで家にやってくる時はさ。 んで、手持ち無沙汰かよくわかんないけど、俺の部屋でオナニーするんだよ。 俺、知ってるからさ、いつも仕事を早めに切り上げて、押し入れの奥に入って、それを覗くのが趣味だったんだ。 彼女が目を閉じて、ディルドとか突っ込んでるの見ると、俺っちの愛は満たされた。 俺の心は慈愛に満たされた。 ひょっとしたら俺のことを考えてくれてるのかなってさ。 なんだかそんな気がしてたんだ。 俺のことを一番に考えてくれたら嬉しいよなって。 そんな時に、親父が帰ってきて、俺の部屋のドアバターン!って、でも、彼女は目が見えないから、そんなことお構いなしに、ディルドを突っ込んでよがっていたら、親父がフェラさせたってわけ。 花井花子が親父と、背瘤を作ってニュルニュルと蛆と蛆が絡み合ってるみたいだった。 その日は夏の夕日が差し込んでいて、俺の部屋がオレンジ色に染まっていた。 畳から湯気が上がっていた。 そりゃ、彼女たちの体からか。 ふたりの体はオレンジ色の蛆だった。 まるで腐った死体を燃やしているのに体を貪り合う蛆みたいなさ。 卍に卍に卍に卍に卍に卍に卍に卍に卍に卍に卍に卍に卍に卍に卍に卍に卍に卍に卍に卍に卍に卍に卍に卍に卍に卍に卍に卍に卍に卍に卍に卍に。 俺は押し入れの中からただじっとみているだけだった。 勃起してたけど。 そして彼女はファックされながら俺の名前を呼んでいた。 俺の名前だぜ? ちょっと待てよって。 ふざけんなよって押し入れから飛び出そうとしたけど、なんだか、彼女がよがっている体が綺麗でさ。 おっぱいとか歪んだ性器とか。 なんかオレンジ色の光で燃えていて綺麗だったんだ。 その時に気づいんたんだ。 俺が愛されてるんじゃないんだなってさ。 俺の体が愛されてって言うかさ。 なんか、こう、俺の存在じゃないんだよ。 俺のことは愛されてないって言うかさ。 それで、親父は、俺とおんなじ人を愛してるんだって思ったね。 で、俺は親父以上に愛されたいと思うようになった。 そうしなくちゃ、俺の全部の存在は彼女に受け入れられないと思ったんだ。 だから、親父が、デバガメで彼女とファックして、それで、家を出て行ったらさ、俺、我慢できなくなっちゃって。 そもそも俺の花井花子だし。 絶対に譲れねえよって思ってさ。 俺はトラックの運ちゃんをやってるんだけど。 親父が酒を買いに灘岡湖の近くにある酒屋に行く途中で、轢き殺そうと思ってトラックで跳ね飛ばしてやったんだ。 時速60キロぐらいで。 そうしたらあいつは湖までぶっ飛んでった。 死んじまえばいいと思ってた。 湖で溺死してくれればって。 それでお袋を家に戻そうって思った。 お袋と俺と花井花子で3Pしたら愛に満たされるかなって。 もっとさ。 もっともっと俺には愛が必要なんだよ。 なんだかそんな気がしててトラックの中で勃起してたよ。 そのまま家に帰ったら花井花子がいなくなってた。 そうしたら置き手紙があって。 「ぜんぶお見通し。 私に愛されたい?」って綺麗な字で書かれていた。 彼女、盲目だけど書道7段なんだよね。 関係ないけどさ。 全部、わかってんだよね。 で、俺はひとりで孤独に彼女の裸とか、お袋と3Pすること考えて、マスかいてたら、親父が猟銃を持って家に帰ってくるんだよ。 あいつは猟友会に所属してて、猟銃をぶっ放すのが趣味だったからさ。 あいつの右半身は、痣だらけになってた。 それで「お前を殺して花井花子を手に入れる」って言うからさ。 猟銃の弾丸がバンバン飛んでくる中で、俺はパンツを摺下ろしたままで、逃げ出したけど、勃起したチンポじゃ走りにくいし、俺はただの変態だなって思ってたら情けなくなって、団地近くの灘岡公園で、お陀仏ってわけ。 俺は粉々になっていく脳味噌を使って、死んだらどこにいくのか考えたよ。 ピーナッツくらいしかない脳味噌で。 でも思ってたんだ。 俺はただ愛されたいんだなって。 お袋もそうだし。 何より花井花子にね。 親父よりも愛されたかったけど、それは叶わないみたいだ。 うん、俺の愛は誰よりも弱いんだ。 きっと。 花井花子さえも愛することができない。 だから愛されなくちゃいけなかった。 俺は撃ち殺されたってわけ。 首から上がジンジンする。 でもさ、パンツ摺下ろして、脳味噌がぶっ飛んだ死体なんて誰もみたくないよな。 だからさ、花井花子に内緒にしておいてくれないかな? 俺が猟銃でぶっ殺されたってことを。 お願いだよ。 なあ、友達。 俺は誰よりも花井花子の愛に飢えてたから、君の愛で飢死したって伝えておいてくれないかな。 よろしくね。 サヨナラ。 Starving with your love. Starving with your love. LOVE. My friend. LOVE.

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