マーケティング 4.0。 ゼロから分かる!コトラーのマーケティング理論超入門!1.0から4.0まで徹底解説

日本に必要な「マーケティング4.0」とは何か

マーケティング 4.0

コトラー教授のマーケティング4.0時代:各MBAの戦略を考察する。 ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院のフィリップ・コトラー教授をご存知でしょうか? コトラー教授はマーケティングの神様と言われる重鎮であり、これまでセグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングなどで知られるSTP理論や、4P理論など、MBAでは必ず目にすることになる理論を提唱しています。 そのコトラー教授は、2014年9月に東京で開催されたワールドマーケティングサミットジャパンにて、マーケティング4.0という概念を発表しました。 今回はコトラー教授の本概念を交えながら、MBAを提供する各ビジネススクールが、優秀な学生を獲得するために行っている戦略について検証をしてみましょう。 それでは、コトラー教授のマーケティング4.0とは一体何なのでしょうか?コトラー教授は、これまでのマーケティングの歴史は以下の過程を経て来たと説明しています。 マーケティング1.0:製品中心 マーケティング2.0:消費者志向 マーケティング3.0:価値主導 そして2014年9月にコトラー教授が発表したのが、 「マーケティング4.0:自己実現」 なのです。 これらの1.0から4.0までを、MBAを提供している各ビジネススクールが優秀な生徒を獲得するために行っている戦略を例に取って、ざっくりと見てみましょう 目次• フィリップ・コトラー教授の理論をざっくり言うと、、 マーケティング1.0(製品中心)の時代には、「MBAというものは、世界で活躍するためのリーダーや経営者になるためのスキルを身に付けることができるプレミアムな学位である。 」と言う事をアピールし、優秀な学生を獲得してきた。 マーケティング2.0(消費者志向)の時代には、優秀な学生を満足させる事を重視し、スクールの立地、MBA講義時間、MBAカリキュラム、などの差別化をアピールし、優秀な学生を獲得してきた。 マーケティング3.0(価値主導)の時代には、自分たちのビジネススクールが存在する意義を明確にした。 例えば、「産業界との強いネットワークを生かし、世界経済の発展に貢献できる学生を実社会へ送り込む。 」というビジョンを掲げることで、優秀な学生を獲得してきた。 マーケティング4.0(自己実現)の時代には、自分たちのビジネススクールを選ぶことで、学生は自己実現の欲求を満たすことができる、ということをアピールし優秀な学生を獲得する。 ざっくり言うとこういうことですが、これだけではなかなかピンと来ないかもしれません。 下記でもう少し詳しくビジネススクールのマーケティング戦略を例に挙げながら、コトラー教授のマーケティング1.0から4.0を時代ごとに詳しく検証しています。 時代により進化してきたコトラー教授の理論 マーケティング1.0:製品中心 チャールズ・チャップリンの「モダン・タイムス」と言う映画をご存知でしょうか。 チャップリン扮する労働者が工場で何だか分からない製品を大量に製造していることをコミカルに描いた映画です。 ちょうどこの頃がマーケティング1.0に当たると言えるでしょう。 この時代の経営のコアは、製品であり自分たちが優れていると思ったものをとにかく顧客に売り込むと言うマーケティング戦略です。 マーケターが顧客に対しての売り込み文句は「ウチの商品は他社に比べて性能がとても優れている。 」というものでした。 MBAを提供するビジネススクールを例にすると、 「世界の著名な企業の経営者の多くはMBAを取得しています。 MBAは優秀な経営者や経営幹部になるためのパスポートでありMBAを学ぶことで、ビジネスエリートの道は大きく開けます。 」 ということを前面に打ち出して、優秀な生徒を獲得してきた時代と言えます。 マーケティング2.0:消費者志向 それから時代は変化し、商品が優れていると言うだけでは顧客は振り向かなくなってきました。 多くのライバル企業が似たような製品を生産するようになり、ただ単に製品を売り込むだけでは、消費者は自分たちの商品に魅力を感じてくれなくなってきたのです。 そこで、多くのマーケターが取り入れた概念は、 企業や商品のポジショニングです。 MBAを提供するビジネススクールでも、昔に比べ多くの大学で、MBAまたはそれに類似する学位を提供するようになりました。 MBAと言うだけでは優秀な学生を獲得するのは難しくなってきて、各ビジネススクールは商品の差別化を考える必要性が出てきました。 スクールによっては、 その立地条件や都市の安全性を活かし、住みやすい都市ランキングに選ばれたところに立地するビジネススクール、治安が非常によく安全な学生生活を送ることができるビジネススクール、である事をアピールします。 また、インターナショナルなカリキュラムに力を入れており、 学生は世界各国から集まる様々な国籍の学生と交流することができる、など他のビジネススクールとの差別化を意識したマーケティングを行うようになってきました。 マーケティング3.0:価値主導 価値主導というのは、その会社が存在する意義や企業価値などに焦点を置いたマーケティングを指します。 マーケティング1.0の商品の優位性や、マーケティング2.0の商品の差別化の時代から、消費者はさらに、その会社が掲げるミッションやビジョン、会社そのものの価値にも目を向けるようになってきたためです。 消費者から「この会社の考え方に賛同できる、この会社の考え方は自分のライフスタイルにぴったりだ。 」と言う企業の価値そのものについて消費者が目を向けるようになったのです。 MBAを提供するビジネススクールを例にとると、「産業界との強いネットワークを生かし、世界経済の発展に貢献できる学生を実社会へ送り込む。 」というビジョンを掲げることがマーケティング3.0、つまり価値主導のマーケティングと言えるでしょう。 人気企業や地元企業の経営者を招いてオープンキャンパスを開催したり、外国のビジネススクールと提携し、交換留学制度を整備したりして、ビジョンとして掲げる「産業界との強いネットワークを生かし、世界経済の発展に貢献できる学生を実社会へ送り込む。 」を学生に提供しようとするマーケティングです。 マーケティング4.0:自己実現 そして今日、コトラー教授は、これからの時代は、新たなマーケティング4.0の概念が必要であることを提唱しています。 現代の先進国の消費者は、マズローの欲求5段階説でいう、「生理的欲求」「安全的欲求」「社会的欲求」「尊厳要求」はすでに満たされてきている、今の消費者が欲しているのは「自己実現欲求」であると言うのです。 下層の要求を満たされることで、上層の欲求を欲するという人間の要求を階層化したアメリカの心理学者、アブラハム・マズローが提唱した理論。 ) これからのマーケティング4.0の時代には、優秀な学生たちに対して、「ウチのビジネススクールで学ぶことで自己実現の欲求を満たすことができる。 」ということをアピールしていくことが重要になってきているといえます。 優秀な学生たちの自己実現の欲求を満たすとは、例えば、「MBAを取得した後にはこういった姿になっていたい。 」という欲求に対して、ビジネススクールがそれにしっかりと答えることです。 それは一体、どのようにして実現することができるのでしょうか? 例えば在校生と卒業生の交流の場を定期的に設け、在校生の転職活動をサポートするシステムを整えたり、同窓会を定期的に開催し卒業生ネットワークを強化するプログラムを整備したりすることが考えられるでしょう。 または、学生一人一人にキャリアアドバイザーがついて、彼らのニーズにピンポイントに合った就職先を支援するようなシステムが必要かもしれません。 そして、それが結果として成果が表れていることを実績として積み上げ、それをマーケティングのツールとして活用することが大切です。 マーケティング4.0では、消費者は結果を重視しているのです。 このように、コトラー教授はマーケティング1.0から4.0までのマーケティングの進化をこれまで提唱してきました。 ビジネスは生き物です。 時代とともにその戦略もどんどんと変化していくことになります。 MBAを提供するビジネススクールでは、優秀な学生を獲得するために、そのマーケティングスタイルも時代によってどんどんと変わっていくでしょう。 まとめ マーケティング1.0は、製品中心のマーケティングの時代 マーケティング2.0は、消費者志向のマーケティングの時代 マーケティング3.0は、価値主導のマーケティングの時代 マーケティング4.0は、自己実現のマーケティングの時代 これをビジネススクールの学生獲得のための戦略に当てはめると、 マーケティング1.0の時代には、「MBAというものは、世界で活躍するためのリーダーや経営者になるためのスキルを身に付けることができるプレミアムな学位である。 」と言う事をアピールし、優秀な学生を獲得してきた。 マーケティング2.0の時代には、優秀な学生を満足させる事を重視し、スクールの立地、MBA講義時間、MBAカリキュラム、などの差別化をアピールし、優秀な学生を獲得してきた。 マーケティング3.0の時代には、自分たちのビジネススクールが存在する意義を明確にした。 例えば、「産業界との強いネットワークを生かし、世界経済の発展に貢献できる学生を実社会へ送り込む。 」というビジョンを掲げることで、優秀な学生を獲得してきた。 マーケティング4.0の時代には、自分たちのビジネススクールを選ぶことで、学生は自己実現の欲求を満たすことができる、ということをアピールし優秀な学生を獲得していく。 【無料MBA診断】10年後のあなた診断。 MBA取得後のあなたはどうなっているでしょうか?10年後のあなたをのぞいてみましょう。 【MBA Loungeラジオ配信中】MBAからキャリアまでのノウハウ集 勉強や作業をしながらでもお聞きください! 【29歳以下限定会員制ゼミナール】大学院留学準備を仲間と一緒に! 仲間がいるから頑張れるんです。 無料説明会開催中 【無料TOEFL語彙クイズ】無料オンラインクイズ 全10回配信 登録時間10秒、全10回100語彙クイズを無料配信します。

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「マーケティング4.0」とは結局どういうことなのか? (1/2)

マーケティング 4.0

BtoB業界でもマーケティングという概念が広がりをみせており、マーケターとして働いている方はもちろん、営業活動においてもマーケティングの考え方を活用しているという方は多いのではないでしょうか? そんな中、最近BtoCのマーケティング業界で話題となっているのが、コトラーが2014年に提唱した、自己実現を目指す「マーケティング4. 0」という概念です。 今回は、マーケティング4. 0とは何なのか、そしてBtoBでも実現が可能なのかについて考えていきましょう。 「マーケティング4. 0」とは? マーケティングの神様、コトラーの「自己実現」 耳に新しい「マーケティング4. 0」とは何なのでしょうか?この話を理解するために、マズローの欲求階層説について少し知っておきましょう。 マズローという心理学者は、下の図のように、人間の欲求(=モチベーション)を5つに区分しました。 人間は、まず生きるための「食べたい」「寝たい」などの生理的欲求を持ちます。 それが満たされると「安全に生きたい」などの安全の欲求が生まれるのです。 このようにして、一定の欲求が満たされると、より高次元の欲求が出て来るという人間の性質を示した図になります。 第2の欲求に続いて、「居場所があり、どこかに所属している」という第3の親和の欲求、そして「自己を承認されたい」という第4の自我の欲求がある程度満たされたときに生じるのが、「自己実現」という第5の欲求になります。 これは「自分自身がどのような人間でありたいか」、「どのように見られたいか」という欲求を指すのです。 マズローの欲求段階説 さて、本題のマーケティング4. 0についてご紹介しましょう。 コトラーは、時代の流れに伴うマーケティングの変化について下のように述べてきました。 0:自己実現(Self-Actualization) 顧客がそのブランドを通して、自己実現できることが重視される時代 先程のマズローの図で考えると、人々は今、所属や承認の欲求を超えて、他者との関係のなかで「特別な自己」を実現することを求めているのです。 なぜ「自己」について語られるようになったのか 自己実現が語られるようになった背景には、「テクノロジーの変化」と「社会的価値観の変化」といった大きく2つの変化がありました。 インターネットの発達 テクノロジー、特にインターネットの発達によって人々は能動的に情報を取得・発信できるようになりました。 モノを買う際は、まずはインターネットで調べてから買いますよね。 さらにSNSの発達によって、人々は企業の宣伝や広報よりも友人の口コミを信じるようになり、企業との双方向のコミュニケーションも生まれました。 「モノ」から「コト」へ また、テクノロジーの発達に伴い、世界は同じような機能を持つモノで溢れるようになりました。 お金さえあれば、大抵のものが所有できるこの時代だからこそ、人々は感情がゆれ動くような「体験」や「社会に貢献する」ことを「良い」と判断するようになり、モノからコトへと社会的価値が変動してきているのです。 そして、この社会的価値の変化を加速させているのがインターネットです。 インターネットを通じて何でも見れる、何でも買える、何でも発信できるからこそ、「自己」で他者と差別化したいという欲求が生まれてくるのです。 このような時代の背景を敏感に読み取り、マーケティングに活用するのに長けているのは、やはりBtoCです。 そこで、BtoCにおけるマーケティング4. 0の活用例をひとつ見てみましょう。 【BtoC企業におけるマーケティング4. 0の例】 エナジードリンクを販売するレッドブル。 彼らは、エクストリームスポーツの選手を起用した動画やイベントをマーケティング施策として使用しています。 そして、レッドブルというドリンクに「過激」で「エクストリーム(=極限)」というブランディングを行い、世界中の「極限の過激さ」に憧れる若者達を魅了しているのです。 BtoBマーケティングの今 ・「良いもの」や「価格」が重視されている現状 さて、ここまでマーケティング4. 0についてお話してきましたが、BtoBは今どのような状況なのでしょうか。 実際、先程のコトラーのマーケティング区分で考えると、未だに1. 0、2. 0止まりという現状があります。 良い製品を作れば売れるというマーケティング1. 0の考えを引きずり、まだ「マーケティング」という概念がない企業も多いのが現状です。 ・必要に迫られて「変わる」BtoBマーケティング しかし、BtoB企業はこのままでは立ち行かなくなってきているのです。 超高齢社会の日本では、働くことができる生産人口はこれから減り続け、多くの人材不足も深刻化していきます。 市場は縮小していく一方です。 この市場の縮小にともなって、大多数の中小企業では人件費などを削減することで、辛うじて売上・経常利益が横ばいに保っているので、このままの企業戦略では企業が存続してくことが難しいという状況です。 今BtoBの企業は変化が求められているのですね。 これからの20年を生き抜くために BtoB企業でもマーケティング4. 0は実現可能か? 前段でお伝えしたマーケティング4. 0の考え方は、BtoB企業でも有効なのでしょうか? 正直、自己実現のマーケティングで成功できる企業はごく一握りだと考えられます。 なぜなら、「自己実現できる」という訴求は、基本的に個人に対してしかできないからです。 企業という組織においては、BtoCのようなイメージの自己実現は難しいのが現状です。 顧客と共に生きる「共創」 ではこれから20年を生きくことができるBtoB企業にはどのようなマーケティングが求められているのでしょうか?それは、 マーケティング3. 0を実現し「顧客と価値を共創できる」企業でしょう。 テクノロジーの進歩によって、どのサービス・製品も同じような機能を備えるようになってきているという現状があります。 さらに、インターネットが普及し、アナログな傾向のあるBtoBの業界でもターゲットはまずインターネットで情報収集するようになりました。 このような流れの中、「価値」で差別化する必要性が増しています。 しかしここで、日本の市場が縮小し続けていくことも思い出してみてください。 ターゲットを明確にし、価値をきちんと訴求しても売れない時代が来ることが予想されますよね。 そこで、必要になってくるのは顧客と「価値」を共に創っていくことです。 単に自社のサービス・製品の価値が何なのかという視点だけではなく、一人ひとり、一社一社に寄り添い、真のニーズを見つけ出し「価値」を共に創っていける企業がこれからの生き抜く企業となることでしょう。 さいごに 多くのBtoBの企業が「変わる必要性」を感じてもなかなか変われないままでいます。 しかし、現状を受け止め、顧客のことを考える姿勢が今求められているのです。 今回はマーケティング4. 0という観点から、BtoB企業の現状と今後を考えてきました。 コトラーがマーケティング3. 0を提唱してからはや7年。 やっとBtoCマーケにBtoBのマーケティングが追いついたのです。 ぜひ一度、自社のこれからのマーケティング活動はどうなっていくべきか、考えてみてはいかがでしょうか?.

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コトラーのマーケティング4.0を読んで「5A理論」に従ってみたらすごくわかりやすかった

マーケティング 4.0

関連キーワード 2017年7月5日、東京ビッグサイトにおいて販促とマーケティングの総合展示会「第9回 販促ワールド 夏」が開催された。 本稿ではそこで行われた専門セミナー「マーケティング4. 0〜新時代のマーケティングとは〜」の内容をレポートする。 同セミナーの前半では、首都大学東京大学院准教授の水越康介氏が「マーケティング4. 0時代に向けて」と題して「マーケティング4. 0」の概念についてその歴史的背景を踏まえて解説し、後半ではネスレ日本ダイレクト&デジタル推進事業部部長の津田匡保氏が「ネスカフェ アンバサダー プログラムの考案から実行」について語った。 両氏の話から、企業がこれからのマーケティングで目指すべき大きな方向性をつかんでほしい。 「社会のために」をデジタルで 水越康介氏 マーケティング4. 0とは、マーケティング学界の泰斗であるノースウエスタン大学ケロッグ経営大学院教授のフィリップ・コトラー氏が2016年に著書『Marketing 4. 0: Moving from Traditional to Digital』(邦訳『コトラーのマーケティング4. 0 スマートフォン時代の究極法則』は2017年8月21日、朝日新聞出版より発売)で提唱している概念だ。 冒頭、水越氏はマーケティング4. 0に至るまでの歩みを以下のように整理した。 「マーケティング1. 0」の課題は販促すること、つまり「作ったものをどうやって売るか」であった。 それが、「消費者志向」の高まりで、売れるもの、必要とされるものをどうやって作るかが重視されるようになった。 これが「マーケティング2. 0」への変化だ。 マーケティング2. 0では、他社よりも良いもの、顧客に欲しがられるものを作ろうという「差別化」こそが戦略になった。 しかし、そもそも顧客とは何か。 コトラー氏は。 顧客とは単に目の前の消費者だけではなく「マインドとハートと精神を持つ全人的存在」であり、マーケティング3. 0では、その全人的存在である顧客に対してアプローチしなければならないと説いた。 コトラー氏が2010年に上梓した『コトラーのマーケティング3. 0 ソーシャル・メディア時代の新法則』(朝日新聞出版)によると、そのコンセプトは「価値主導」ということになる。 消費者志向に変わりはないが、機能的な充足にとどまらず精神の充足をも目指す、人間中心のマーケティングだ。 そうでなければ顧客、そして社会の期待には応えられないというのだ。 とはいえ、社会の期待に応えるといっても、具体的に何をすればいいのかとなると、なかなか難しい。 『マーケティング4. 0』は、現場のマーケターからのそうした疑問の声に答えるために書かれた。 マーケティング4. 0で大切になるのは「顧客の自己実現を支援したり、促進したりするような商品やサービスを開発すること」だという。 マーケティング4. 0はマーケティング3. 0を完全に上書きしてしまうものではない。 むしろ3. 0を補完し、自然に広めていくためのものといえる。 ただ、そこであらためて強調されているのが「伝統からデジタルへ」というスローガンだ。 新著の中でコトラー氏は「ニューウエーブの技術」という言葉を繰り返している。 つまり、インターネットやソーシャルメディアのことだ。 コトラー氏が2010年の頃に想像していた以上に『デジタル』はマーケティングの中で無視できない存在になった。 ソーシャルメディアには自己実現したい人々がたくさんいる。 ここで求められるのは「驚きや感動の体験」だ。 【更新:2017年8月15日10時10分 『Marketing 4. 0: Moving from Traditional to Digital』の邦訳について情報を追記しました】 「Wow! 」を作り出すということ 水越氏はマーケティング4. 0の世界で考え直すべき事柄を4つにまとめる。 1つ目は、マーケティング3. 0同様に社会のため、価値主導を推し進めるということ。 2つ目はデジタルエコノミーに焦点を当てること。 3つ目はデジタルエコノミーが作り出す「コネクテッドカスタマー」と呼ぶべき顧客像を持つこと。 そして4つ目は、単に良い製品や良いサービスだけでなく「Wow! 」、つまり驚きの体験、感動を与える何かを作り出し、提案していくことだ。 Wow! の事例としてコトラー氏は、起業家のジャ・ジャン氏による「リジェクションセラピー」の中で起こったエピソードを紹介している。 リジェクションセラピーは「拒否されることに対する耐性」を身に付けることを目的に見知らぬ人にわざと断られるようなお願いを100日間続けるというものだ。 活動の模様は「YouTube」で公開され、人気コンテンツになっている。 ジャン氏はその中で、クリスピー・クリーム・ドーナツのある店舗において「オリンピックのシンボルマーク状のドーナツを特別に作って売ってほしい」と注文した。 もちろん断られることが前提なのだが、販売員の機転によって意外にもそれが実現してしまった。 ジャン氏は驚き、感動した。 この体験はソーシャルメディアを通じて多くの人の共感を呼び、またたく間に話題となった。 このエピソードをきっかけにジャン氏は「TED」への登壇も果たしている。 日本はまだ「マーケティング2. 0」にとどまっている? 残念ながら日本においては現状、マーケティング4. 0まで至っている企業は少ない。 「企業が『社会のために』というと、何か裏があるように勘繰られてしまう。 マーケティング3. 0さえ難しく、2. 0を信奉しているのが現実だ。 状況を少しずつ変えていく必要がある。 社会のため、価値主導のマーケティングに変えていくことは結果的に顧客の利益にもなり、企業の発展にもつながっていく」と水越氏は述べる。 社会をより良くしていこうという考えに基づいてマーケティングを成功させている事例として、水越氏は米国の総合医療サービス「CareMore Health Plan(以下、CareMore)」の例を挙げた。 CareMoreでは体調などを理由に予約の時間に来院できない患者のために、行政機関に掛け合って患者のタクシー代を一部負担してもらっている。 予定通りの診察が行われないことで患者の健康が悪化すれば、1つの医療機関の問題というよりも、巡り巡って社会的なコストが増大することになる。 行政の協力を得て、安定的に受診できる環境を整えることで、そうしたリスクを低減しようというわけだ。 もちろん、社会のためになるこの価値主導の取り組みが、顧客(患者)の利益にもなることは言うまでもない。 もう1つ、デジタルエコノミーが生むコネクテッドカスタマーを考える上で水越氏が注目するのが「Uber」や「Airbnb」のようなシェアリングエコノミーだ。 例えば米国やカナダで人気のカーシェアリングサービス「Zipcar」の利用者はエコロジー意識の高い人が多く、利用者同士で強い連帯意識を持っているという。 コミュニティー活動も活発で、企業もそうした高い志に応えるべく、きめ細かくサービスを提供している。 また、「Kickstarter」のようなクラウドファンディングプラットフォームやそれを利用したサービスも、ユーザーと企業が新しい価値を共創していく手段となり得るという。 マーケティング3. 0から4. 0への変化のポイントはデジタル化だが、この流れは今後さらなる広がる可能性がある。 一方で日本においては、マーケティング4. 0以前にまず、マーケティング2. 0から3. 0へという、より本質的な変化を意識する必要があるようだ。 水越氏は「『企業メセナで社会にもちょっと良いことをしている』という話ではなく、ビジネスそのものが社会にどう関わっていくのか考えることが重要。 そして実際の活動の中で『Wow! 』を作り出していくこと」と、日本企業が今後取り組むべきテーマを示唆して、講演を終えた。 関連記事• 国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア」開催する「Branded Shorts」は、2017年の最優秀作品「Branded Shorts of the Year」を選出。 授賞式を開催した。 アジア最大級の国際短編映画祭ショートショートフィルムフェスティバル & アジア(以下、SSFF & ASIA)は、ブランデッドムービーの祭典「Branded Shorts」を2017年6月5〜9日に開催する。 2017年1月14、15日は大学入試センター試験が行われます。 今回はこれに便乗……ではなく、受験生の皆さんの健闘を祈って、「学び」をテーマにした調査データを紹介します。 アジャイルメディア・ネットワークはファンの口コミの活性化や共創的な取り組みを重視している企業の活動を表彰する「アンバサダープログラムアワード」の表彰イベントを実施した。 「ブランデッドムービー」を用いた企業のマーケティングとは? 識者が語り合ったパネルディスカッションの模様をダイジェストで紹介する。

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