大動脈 解離 症状。 急性大動脈解離について

胸部大動脈解離

大動脈 解離 症状

大動脈解離とは? 原因の多くは動脈硬化 大動脈解離とは、大動脈の血管の壁が何らかの原因で裂けて本来の血流とは別の血流ができる病気です。 大動脈は、内膜、中膜、外膜の3層構造で、心臓から血液をからだ中に送る大事な役割があります。 大動脈解離になると、内膜が破れて中膜に血流が入り込みます。 そうなると、血管の壁は外膜だけになるので、破れやすくなり危険です。 大動脈はからだの中で一番太い動脈で、流れている血液の量も多いため、命に関わります。 大動脈解離の原因は動脈硬化が多く、それを引き起こす高血圧、喫煙、ストレス、高脂血症、糖尿病などもリスクになります。 動脈硬化とは、文字通り動脈が硬くなり弾力性がなくなった状態です。 血液の流れに耐えきれなくなり、血管が破れることで大動脈解離が起こります。 また、冬に発症しやすく夏に少ないと言われており、急激な温度変化も大動脈解離を引き起こす要因となります。 発症しやすい時間帯は、日中のなかでも6時~12時が多く、深夜から朝方にかけては少ない傾向にあるそうです。 大動脈解離の症状とは? 突然起こる痛みがほとんど 大動脈解離の症状は、突然起こる胸や背中の激痛がほとんどです。 一方で、痛みがなく、意識障害や麻痺などが起こることもあります。 大動脈は全身に血液を送っているので、どこに障害が起きたかによって症状が異なります。 たとえば、脳とつながっている部分に障害があれば意識障害が、足とつながっている部分であらばマヒ症状が起こりやすくなります。 大動脈解離の検査、治療、予後。 助かる確率はどのくらい? ここでは、大動脈解離の検査法と治療、そして予後についてみてみましょう。 超音波検査(心エコー) 解離の状態や、合併症である心タンポナーデ(心臓と心臓を覆う心膜の間に血液がたまり、心臓が正常に動かなくなる状態)の有無などが分かります。 造影CT検査 確定診断するために重要な検査です。 治療方針を決めるために必要な情報が得られます。 心電図• 胸部X線(レントゲン)• 血圧 全ての人に当てはまるわけではありませんが、血圧の左右差も特徴のひとつです。 治療 解離が起きた場所によってスタンフォード分類A型とスタンフォード分類B型に分類されます。 スタンフォード分類A型は、心臓のすぐ上にある上行大動脈に解離があるもの、スタンフォード分類B型は上行大動脈に解離がないものを指します。 治療法も異なり、スタンフォード分類A型では緊急手術で人工血管置換術を行いますが、スタンフォード分類B型では薬による内科治療が一般的です。 ただし、合併症や持続する痛みがある場合は手術を行います。 予後 大動脈解離が起きると、病院に到着する前に亡くなることも少なくありません。 発症から時間が経つごとに致死率が上がるとされており、特に48時間以内の死亡率が高いといわれています。 手術の治療成績は向上していますが、大動脈解離が死に直結する病気であることは変わりません。 スタンフォード分類A型は全国平均の死亡率が14. 5%で、危険度の高い手術であることが分かります。 また、スタンフォード分類B型は、薬を中心とした内科治療の30日間の死亡率が10%というデータが出ています。 先述のとおり、心臓と心臓を覆う心膜のあいだに血液がたまり、心臓が正常に動かなくなる状態をいいます。 大動脈解離により血液が漏れることで、心タンポナーデを引き起こします。 実際にあった大動脈解離の事例 ここでは筆者が看護師をしていた当時、遭遇した大動脈解離の患者さんの事例を紹介します。 どのような生活習慣から発症したのか、イメージしながら読んでみてください。 Bさん:50代後半の男性。 家族構成:妻、子ども 好きなものを好きなだけ食べ、自由気ままな生活をしていました。 お酒が好きで、喫煙歴もあります。 以前より血圧が高く、上の血圧は170~180mmHgでした。 職場の健康診断でも血圧の高さを指摘されていましたが、特に症状がなかったため、病院で詳しい検査を受けずにいました。 そのまま放置していたところ、春先に突然激しい胸の痛みを感じました。 妻が救急車を呼び、病院に運ばれて検査を受けたところ、大動脈解離と診断され緊急手術を受けることになります。 検査の結果、スタンフォード分類A型と分かり、人工血管置換術を受けました。 かなり大がかりな手術になったものの、命をとりとめ、後遺症もありませんでした。 これまでの生活習慣を見直すため、退院前には禁煙と飲酒制限、塩分制限が指導されました。 食事に関しては妻も一緒に指導を受け、塩分を制限した食事作りをすることになりました。 Bさんは今回の件で命の危険を感じ、「今まで好き放題やってきたからなあ」と、後悔している様子でした。 この事例では、健康診断で高血圧が指摘されていたにも関わらず放置していたことが問題になりました。 病院で詳しい検査をし、薬で血圧をコントロールできていたら、大動脈解離は起きなかったかもしれません。 それまで全く症状がなくても急に発症し、命に関わる事態となったことに恐怖を感じた人もいるのではないでしょうか。 手術後、禁煙や飲酒制限などさまざまな制限が出されましたが、負担は患者さん本人だけでなく妻にもかかってきます。 食事作りを妻が担当している場合、塩分を多く含む食材が使えなかったり、調味料の量を毎回量ったりと手間が増えてしまいました。 家族の心配ごとや負担を増やさないためにも健康維持に心がけたいものです。 大動脈解離を防ぎ、元気で過ごすために気をつけたいこと 今回の事例をふまえて、大動脈解離を予防するために注意したいことをまとめました。 動脈硬化を予防する Bさんは高血圧で喫煙歴があったことから、大動脈解離の原因である動脈硬化が起きていた可能性があります。 「好きなものを好きなだけ食べていた」と話しており、食生活を改善することで動脈硬化が予防できたかもしれません。 具体的には、腹8分目を心がけることや、食事のバランスに気をつけてコレステロールが高くならないようにすることが大切です。 魚を月1~2回食べることで大動脈疾患のリスクを軽減できるので、日常的に取り入れましょう。 急激な温度変化を避ける Bさんが大動脈解離を発症したのは春先で、まだ寒い時期でした。 冒頭で取り上げたように、大動脈解離は冬に発症しやすいという特徴があります。 これは、温度差によって血圧が変動し、血管に負担がかかりやすくなるためです。 日常生活で温度差を感じやすい場面は入浴です。 寒い脱衣所で服を脱いだり、湯船に浸かったりと温度が急激に変化します。 予防のため、脱衣所や浴室をあらかじめ温めておきましょう。 浴室の暖房機能を活用する、湯船にお湯を張ったあとはフタを外し蒸気で温めるという方法があります。 また、最初から熱すぎる湯船に入らず、ぬるめのお湯から徐々にからだを慣らすことも大切です。 禁煙、適度な飲酒 Bさんはお酒が好きで喫煙歴がありますが、タバコと多量の飲酒は動脈硬化を引き起こします。 予防するためには、禁煙と適度な飲酒を心がけることが必要です。 厚生労働省によると、「適度な飲酒量」とは、1日に日本酒なら1合(180㏄)、ウイスキー水割りならシングル1杯程度が目安とされています。 高血圧になると、すぐには影響がなくても経過とともに病気を発症しやすくなります。 健康診断で指摘された人は、忘れずに病院で詳しい検査を受けましょう。 血圧が高い人は、自宅で継続して測る習慣をつけると、異常に気づきやすくなります。 まとめ 大動脈解離は、急に発症し死に至る可能性のある病気です。 そのため、生活習慣を整えていかに予防できるかがポイントとなります。 今は症状がなくても、年齢とともに大動脈解離が起きるリスクは高くなります。 いつまでも元気で充実した生活を送るために、今のうちから気をつけていきましょう。

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背中の痛みの原因となる『大動脈瘤・解離性大動脈瘤』について/特徴・症状・治療

大動脈 解離 症状

解離性大動脈瘤(大動脈解離)の状態 突然、胸あるいは背中に杭が刺さるような激痛が起こり、病状の進展につれて痛みが胸から腹、さらに脚へと下向きに移っていくのが特徴です。 いきなり意識消失状態やショック状態となる方も少なくありません。 裂けた箇所によって、また病状の進展によって、大動脈弁閉鎖不全や脳虚血症状(意識消失、麻痺)、腸管虚血症状(腹痛、下血)、腎不全、下肢虚血症状などの併発症状を引き起こすこともあります。 新たな血液の流れ道(解離腔または偽腔)を通して、血液が薄くなった外膜から染み出したり破裂すると、や血胸をおこします。 解離性大動脈瘤(大動脈解離)の治療では、できるだけ早く治療方針を決めることが重要です。 裂け目が心臓に近い箇所(上行大動脈)にまでおよんでいる場合には手術が必要となります。 手術では、裂け目がある部分の血管が人工血管に置き換えられますが、病状によって人工血管に交換する範囲は異なります。 手術中は、手術の補助のため、超低体温循環法あるいは脳分離循環法という専門的な人工心肺操作が行われます。 裂け目のある大動脈の範囲が背中側の下行大動脈以下に限られている場合は、手術を行わずに、日常生活を送っていただきながら経過をみることもあります。 その際、安静とともに最も重要となるのが血圧の管理です。 裂け目が残存していることを念頭においていただき、禁煙、減塩食を徹底し、血圧を下げるお薬を服用していただきながら、定期的に通院していただきます。 それでも血圧が安定せず、裂け目が大きくなっていく場合には、手術が必要となります。

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急性大動脈解離

大動脈 解離 症状

大動脈解離とは 大動脈は人間の体内で最も太い血管で、内膜、中膜、外膜の三層構造をしており、酸素を多く含んだ動脈血を心臓から全身に送り出す役割をしています。 大動脈は、分布する部位によってさまざまな役割があります。 冠動脈は心臓から出る上行大動脈の付け根から分岐していて、心臓の筋肉に血液を送る役割を担います。 首に向かって延びる上行大動脈は弓部大動脈といい、頭部と両腕に血液を送ります。 そして、弓部大動脈から下肢に向かって伸びる動脈を下行大動脈といい、胸部の臓器や背骨(胸椎)などに血液を送る役割を担います。 また、腹部に分布する腹部大動脈は腹部の臓器や下肢に血液を供給する役割を担います。 このような特徴を持つ大動脈の疾患のひとつである大動脈解離は、 大動脈壁が中膜のレベルで二層に剥離し,動脈走行に沿ってある長さを持ち二腔になった状態です。 大動脈解離を発症すると、大動脈から分かれる重要な動脈が圧迫されて閉塞し、重要臓器に血液が流れない状態が発生します。 大動脈解離になると出てくる症状は? 大動脈解離によってみられる症状は 突然の引き裂くような胸・背部痛であり、多くの人がこの症状を経験します。 大動脈解離は発症からどんどん状態が変わる病気のため、病状が進行するにつれて 手足の血圧差、呼吸困難、ショック、一過性の麻痺、半身麻痺などといった症状がみられます。 しかし一方で、痛みがなく、意識障害、下肢麻痺、微熱、全身倦怠感のみあらわれることもあります。 大動脈解離を発症する前に前兆はある? 大動脈解離は 前兆ともいえる症状はほとんどありません。 毎日血圧測定をして。 ただし、最初に亀裂が入った内膜の一部がはがれて移動し、ほかの動脈をふさぐということもあります。 その場合、そこから先が虚血状態になるので、心臓発作や腎臓障害、手足の神経障害などさまざまな症状が起こることがあり、それが前兆としてとらえられる場合もあります。 大動脈解離になったらどうすればいいの? 大動脈解離は 上行大動脈に解離があるスタンフォードA型と、下行大動脈のみに解離があるスタンフォードB型に分類されます。 スタンフォードA型の場合、ほとんどが緊急手術の対象になります。 一方、 スタンフォードB型の場合は自然予後が良好であるため内科的治療が初期治療として選択されます。 手術は上行大動脈人工血管置換術を、体外循環(人工心肺)を用いて行います。 緊急手術の成功率は、近年増加傾向となっています。 内科的治療は、内服薬で血圧をコントロールして血圧の上昇及び収縮期血圧と拡張期血圧に差が出ることを防ぐほか、運動制限など日常生活でなるべく安静で過ごすように指示されます。 しかし、破裂や臓器虚血などの続発症があり、持続する痛みがある場合は、スタンフォードB型であっても緊急手術の適応となります。 おわりに:大動脈解離の前兆はなし!発症したら救急要請を 大動脈解離は、まれに心臓発作や腎臓障害、手足の神経障害などの前兆がみられますが、基本的には前兆はない場合がほとんどです。 スタンフォードA型の場合は緊急手術をしなければ回復の見込みがないのに対し、スタンフォードB型の場合は内科的治療で改善が見込めるものの、状態によっては緊急手術の対象となります。 そのため、上記の症状がみられたら、すぐに医療機関を受診するようにしましょう。

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