第七天国(1927)。 第七天国(1927)

古き良き映画

第七天国(1927)

映画のストーリー 結末の記載を含むものもあります。 チコはパリの地下を流れる水道の掃除夫として朝から晩まで碌々日の光りも見ずに惨めな生活を送っている若者の1人だった。 彼は自分の素性さえも知らぬ独り者で、友達というのも同じ掃除夫の「溝鼠」とタクシー運転手のプウルだけだった。 チコの生涯の目的は下水掃除夫から道路掃除夫に出世して日の光を浴びることだった。 そして早くそうなるように彼は神に願ったが少しも効き目が無いので、ついに無神論者となってしまった。 しかし彼は自分が偉い男だと信じていた。 彼は貧民街の下宿屋の7階の屋根裏部屋に住んでいて、そこを第7の天国と名付けていた。 ある日の夕方仕事を終えた彼が下水道の口から首を出すと、1人の可憐な若い女が年高の怖い顔をした女に鞭うたれて倒れていた。 チコは大声を出して怒鳴りつけ小雀を荒鷲の手から救ってやった。 彼女等は姉妹で姉はナナと呼ばれ妹はディアーヌといった。 ナナが妹を虐待した理由は、南洋で巨万の富を掴んで帰国した彼女等の伯父が、姉妹が正しい善良な生活を営んでいるなら世話をしてやるといって、ブリサック大佐とシユヴィヨン師父とを介して交渉したのに、ディアーヌが姉の生活を真面目なものと思えなかったので、伯父の申し出を拒絶したことだった。 ナナはそれを口惜しがり怒ってディアーヌを鞭うったのだった。 チコはこうしてディアーヌを救った。 警官に怪しまれた時も彼は自分の妻だと答えて彼女をかばってやったが、二人は清い関係のままだった。 姉に強制されて惨めな生活を送っていたディアーヌには「第7の天国」が本当に天国のように思えた。 親切な師父の推薦でチコは道路掃除夫になることが出来た。 そして彼はディアーヌが彼を愛していることを自覚し「第7の天国」で2人は結婚式を挙げた。 やがて欧州大戦が起こった。 召集令状を受け取ったチコは、妻に別れを惜しみ、戦地に在っても毎朝11時にはおまえの許に帰って来ると云って出征した。 やがてマルヌの激戦で負傷したチコが遂に名誉の戦死を遂げたという噂がのぼった。 ブリサック大佐からの求婚されたディアーヌだが、一縷の望みをかけて夫の帰りを待つと言い張った。 しかしチコの戦死が決定的となり、知らせを聞いた彼女は失神してしまう。 ディアーヌが目を覚ますと、目の前に亡者となったチコが立っていた。 抱き合う二人。 第7天国で2つの魂は1つの魂となったのだった。

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第七天国(1927)

第七天国(1927)

SPONSORED LINK 第七天国(7th Heaven)中編 短いドライブのあと、下宿先に到着。 アパートの長い螺旋階段を上がって行く二人をカメラが長回しで撮影しています。 このワンショットはとても有名なシーンですよね。 7階にあるチコの部屋へ到着した途端、ディアーヌは感動で言葉を失いますが、彼はそれをみて「俺は下水道で働いてるが、星の近くに住んでいるんだ!」と。 CHICO:Not bad, eh? I work in the sewerーbut I live near the stars! あまりの感動でハアハアしているディアーヌ。 」すぎたのです。 こっちへおいで、とチコがディアーヌを窓辺へエスコート。 そこに広がっていたのはパリの街と満天の星空。 夜風に髪を揺らしながら、感極まったディアーヌが叫びます。 窓辺から伸びている細い板を渡り、向こう側のアパートへ行こうとするチコ。 「おいで」と手を伸ばされるも、ディアーヌは足がすくんで進めません。 手を引かれ、恐る恐る渡ろうとしますが、下を見てしまい結局部屋に逆戻り。 臆病なディアーヌに、チコは「恐れてはダメだ」と言い聞かせます。 夜空を指差し、「決して下を見るな、いつも上を向け!」と。 先程の、延々上へ向かう7階までのワンショットも、この「Always look up! 」の表現だったんですね。 CHICO:Never look downー CHICO:ーAlways look up! CHICO:I always look up. ここの得意げな顔のチコ、とても格好いい。 ディアーヌでなくても惚れてしまう、これは。 そのあと、チコがおもむろにベッドの用意をし始めたので、おろおろするディアーヌ。 彼は向かいのアパートに住むゴビンの妻から女用の寝間着を借てきて渡し、着替えるように言います。 チコが水を汲みに行った間に寝間着へ着替え、ベッドの中で寝たふりをして周囲の様子をうかがっていたディアーヌは、チコが床で寝るのを確認してほっと一安心。 微笑んで眠りにつきます。 翌朝、先に目覚めたディアーヌは朝食の準備をしてチコを待ちます。 いささかぎこちない「おはよう」の挨拶、ニヤニヤしてしまう。 顔を洗っているチコの後ろで、上着を持って待ち構えているディアーヌが可愛い。 用意された朝食をもりもり食べるチコ、ディアーヌが淹れたコーヒーが熱くて飲めないのも可愛い。 少しいい雰囲気が漂うも、彼が「警察が来たらちゃんと出ていけよ!」とまた念を押すので、彼女の顔から笑みが消えます。 チコの悪態は単なる照れ隠しなんですが、ディアーヌはその辺の男心が分からないので、真に受けてしょんぼり。 After the police come, you go! そんな時、今日から同僚となるゴビンがベランダから侵入してきます。 下水道労働者から道路清掃員にランクアップしたので、彼の中のチコの立場が「隣人」にランクアップしたようです。 男二人はそのまま連れ立って仕事へ向かおうとします。 しかしゴビンが「奥さんへの挨拶を忘れているよ」と余計な気を回すので、チコはディアーヌへキスする羽目になります。 ラッキースケベというやつですね(ちがう)。 ゴビンに怪しまれないよう、渋々キスをするチコ。 GOBIN:You forgot to kiss your wife goodbye. この時点でチコに惚れていたディアーヌはキスが相当嬉しかったようで、有頂天。 二人を見送った後、すぐに窓辺へ行き、昨日渡れなかった板を渡ろうとします。 「怖れるな!上を向け!」というチコの言葉を思い出し、無事渡れて得意満面。 数日経過し、かなり打ち解けた様子のチコとディアーヌ。 髪を切ったり切らせたりするほどには距離が縮まったようです。 そこへ訪ねてくる怪しい老人。 彼は自分を「私立探偵」と名乗り、チコを尋問。 そう、とうとう「その時」が来てしまったのです。 老人:I am a police detectiveー 老人:Is that your wife? 確認が終わり、老人が去っていくと、ディアーヌもハサミを置いて最初の約束通り部屋を出ていこうとします。 チコのお許しが出て、ディアーヌの泣き顔が笑い顔に。 ハサミ持ってきてまたチコの髪を切りながら、彼女は言います。 DIANE:Chico, I believe in the Bon DieuーI believe He brought you to me. Leave them to me. 後日、「第七天国」でチコの上着を繕っているディアーヌ。 できあがった上着を椅子の背にかけ、袖を自分に巻きつけて匂いをかいだり、恋する乙女全開。 そこへ帰宅したチコ、彼は腕に大きな包みを抱えていました。 一つは花の植木鉢。 そしてもう一つはウエディングドレスの箱。 DIANE:It looks like a wedding dress. 誰がどうみてもウエディングドレスです。 ディアーヌは喜びますが、次第にその顔が曇っていき……。 DIANE:But you never saidーyou love me. そう!ディアーヌはチコに一度も「好きだ」とか「愛している」と言われたことがないんです。 彼女はそのせいで不安になっているんですね。 ディアーヌに乞われ、言葉にしようとするも「できない!」。 彼女があまりにも寂しそうな顔をするので「Well, this way thenー……」と妥協案です。 CHICO:(自分の胸に手を当てて)Chicoー (ディアーヌに手を差し伸べて)ーDianeー (両手を広げて)ーHeaven! 「チコ、ディアーヌ、天国!」と言われ、嬉しそうなディアーヌ。 「もう一度!」とおねだりするとき、目がキラキラしているのが猛烈に可愛いです。 DIANE:Say it again! CHICO:ChicoーーDianeーーHeaven! ディアーヌが「結婚式は教会で挙げるの?」と聞くと、即座に「ノー!」。 まあ、本人も言ってますが、彼は無神論者なのでね……。 DIANE:Are we going to be married in church? CHICO:Noーcertainly not! CHICO:I am an atheistー I walk alone! チコが椅子に座ると、尻に何かが当たりました。 それは上着に入れていた宗教メダル。 彼はあまりのタイミングのよさにギクリとしますが、無神論者ゆえに「偶然だ!」と自身に言い聞かせています。 偶然かなー偶然なのかなー? CHICO:No religious medals can frighten me! 二人がイチャイチャしていると、「準備はできてるか?」と窓からゴビンが。 彼は、妊娠中で寝たきりのマダム・ゴビンのためにディアーヌが作ってあげたスープを取りに来たのでした。 ディアーヌはスープの入った片手鍋とウエディングドレスの箱を抱え、窓から隣アパートへ行こうとします。 それを見て慌てたのがチコ。 「おい!」と引き止めるチコに、晴れ晴れとした顔でディアーヌは言います。 「私は二度と怖れないわ!」。 「第七天国」に残されたチコとゴビン。 ゴビンはディアーヌがいなくなったので、戦争の話を切り出します。 パリでは第一次世界大戦の一般徴兵(国家総動員)が行われており、もちろん二人も戦場へ行かなくてはいけません。 ゴビンは「1時間以内に出発しなければ……」と暗い顔をし、妻との別れを済ますため、一旦自分のアパートへ戻ります。 GOBIN:Our regiment is on the first list. We leave within the hour. We must defend our homesーーーand our women! 黙々と荷造りをしているチコの元へ、ウエディングドレスに着替えたディアーヌが戻ってきます。 窓から入ってくる美しいディアーヌを見て、ぱぁ!っと顔を輝かせるチコ。 感極まってキスしようとするも、軍隊の足音がそれを思い留まらせます。 彼はディアーヌを抱きしめ、ここで初めてストレートな愛の告白をするのでした。 CHICO:Diane, I love you! DIANE:At last! 「やっと言ってくれた!」と喜びつつ、しかし幸福に慣れていないディアーヌの胸はキリリと痛みます。 「おかしいわ、胸が痛いのよ!」……なんて可愛い台詞でしょう。 チコはディアーヌに徴兵の件を伝え、ゴビンとともにすぐに出なければならないことを明かします。 そして、「怖い!」と言いながら彼女の腰にしがみつきます。 CHICO:Dianeー I have terrible news! Gobin and I leave at once! War has come! 戦争に怯え、弱音を吐くチコ。 ディアーヌはそんな彼を叱咤します。 「決して下を見ない!いつも上を向くの!」。 二人の立場がここで逆転するの最高ですねぇ。 DIANE:Never look downー always look up! ディアーヌは尚もチコの真似をし、彼を励まし続けます。 時間がないため、結婚式をあげることもできない二人。 チコは宗教メダルを取り出し、「今ここで結婚しよう!」と提案。 二度も神に裏切られたがゆえに無神論者となったチコは、ここで「もう一度、神にチャンスを与える」のです。 CHICO:I have it! We will marry nowーhere! CHICO:Monsieur le Bon Dieu, if there is any truth in the idea of You, please make this a ture marriage. 宗教メダルをお互いの首にかけ、二人は宣誓。 CHICO:I take you, Diane, for my wife. DIANE:I take you, Chico, for my husbandーforever. 「Madame Chico! 」と言いながらディアーヌを抱きしめるチコ。 二人の体格差が最高です。 しかし幸福な時間は続きません。 自身も妻との別れをすませたゴビンが再び窓からやってきて「Hurry! 」とチコを急かしたからです。 GOBIN:Hurry, Comrade, we must be at the station in fifteen minutes. 荷物を持って部屋を出るチコ。 見送りに行こうとするディアーヌを制し、「俺は毎日11時に君を想う」と彼女に語りかけます。 同じ時間に祈ることで、離れていても共にあろうとするんですね。 無神論者とか言ってた人間が……。 チコが部屋を出たあと、脱力してヘナヘナしゃがみ込むディアーヌ。 そこへやってきたのが姉のナナ。 そう、彼女はチコがいなくなるその時を狙っていたのです。 ナナは、ドレスを着ているディアーヌを鼻で笑い、宗教メダルを引きちぎります。 取り返そうと彼女に掴みかかるディアーヌ。 鞭で打たれても怯まず、逆に鞭を奪ってナナを叩きまくり。 いいぞ、もっとやれ!宗教メダルを取り戻し、ナナを「第七天国」から追い出したディアーヌは窓辺で高らかに勝利宣言。 「チコ、私は勇敢よ!」と。 CHICO:Chico! Chico! I am brave! さて、ここから映画は後半戦に突入します。 「第七天国」でのチコとディアーヌの交流を描いた前半から雰囲気が一転。 前線へ向かったチコとゴビン(とラット)の運命は?ディアーヌとチコの再会は?詳しくは【後編】で。 CATEGORIES• NEW• ARCHIVES• 6 ABOUT.

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第七天国

第七天国(1927)

活弁&生演奏つき上映で拝見。 昔の映画なので女性への接し方が今では考えられないものがあったりましすが、 後半に進むに連れてよい雰囲気に。 どんなに貧しくても自分を蔑んではいけない。 常に自分に勇気と誇りを持って生きていけば、未来も必然的に明るくなる。 後半は大作のようなシーンもあります。 とんでもなく大変な事が起こったりするのですが、シンプルなメッセージや明るさがかえって染みます。 サイレントでモノクロでしたが古きよき映画でした。 ちょっと前半長いですけどね。 映画評論家の故 淀川長治さんが名画選集で開設されている所によると、 『第七天国という7というのは東西2つ、南北4つ、それに土5つ、海で6つ、空で7つ。 人間はこの七つで守られている。 7つが有って人間は幸せだ言う様な大昔のことわざが有るんですね。 だから『第七の封印』なんて言うのは初めから死ぬ事ですね。 そういう訳で『第七天国』これはそう言う意味の第七なんですね。 』 『この映画を私、友の会、ずっと昔40年程前に友の会でしゃべったんですね。 「『第七天国』良いよ良いよ。 」みんな良く聞いてくれたんです。 その時に永六輔と言うのが子供でいたんですね。 可愛い子がいたんですね。 それに「こういう映画良かったよ、良かったよ。 」言ったら「そう、良かったですね」って言ったら、いつのまにか上を向いて歩こう、上を向いて歩こう、言うのがどうも頭に入れたらしい。 どうもあやしい、『第七天国』のこれから来てるんだと思いましたけれども』 …といういささか強引な気もしますが「上を向いて歩こう」という歌のヒントになった映画ではないかということも言っておられます。

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