アビガン 新型 コロナ。 新型コロナ「アビガンは効かないよ」問題について

期待高まる「アビガン」 新型コロナ治療薬|医療ニュース トピックス|時事メディカル

アビガン 新型 コロナ

明確なソース(情報源)を示した記事はありませんが、複数の報道機関が同時に同じような内容を報じていますので、ある程度は根拠のあることだと推測できます。 さて、この報道をどのように理解すればよいのでしょうか?期待の高かったアビガンですが、新型コロナウイルスの治療薬としては「効果がない」ということなのでしょうか?専門家に聞きました。 【情報は5月20日段階。 内容は五十嵐中さんのの記述をもとに、追加の情報や質問を加えたものです】 質問に答えてくれたのは、医療統計や医療経済学を専門にする五十嵐中さん(横浜市立大学准教授)です。 Q)そもそも、報道された研究はどんな内容のものなのでしょうか? 研究の内容は国立保健医療科学院の「臨床研究実施計画・研究概要公開システム」でされています。 研究の正式な名称は「SARS-CoV2感染無症状・軽症患者におけるウイルス量低減効果の検討を目的としたファビピラビルの多施設非盲検ランダム化臨床試験」というものです。 対象となるのは、PCR検査で新型コロナウイルスの感染が確認された、「無症状または軽症の人」86人です。 (感染前と全く同じ生活ができているか、激しい活動は出来なくても歩行や軽い家事などはできる人) その人たちを2つのグループに分けます。 1)試験開始後すぐにアビガンを飲み始め、10日目まで飲み続ける人 2)試験開始から5日間はアビガンを使わず、6日目から15日目まで飲み続ける人 どちらの参加者も、試験開始から6日目に検査を行います。 6日目の時点では、2)の人はまだアビガンを飲んでいないわけですから、実質的に「1)アビガンを飲んだ人」と「2)アビガンを飲んでいない人」を比較することになるわけです。 そして6日目の検査の結果 「新型コロナウイルスが消失した人」がどのくらいいるかを1)と2)で比べます(メイン)。 さらに、 「試験開始時点と比べてウイルスの量が90%減った人」の割合や、ウイルスの量の変化なども比べます(サブ)。 その結果、もし1)のほうが2)よりも成績が良ければ、「アビガンにウイルスの量を減らす効果があるのではないか?」ということが調べられるわけです。 Q)なるほど、ありがとうございます。 なぜわざわざ「投与期間を変える」デザインをしたのでしょうか? 対照群(比較のもとになるグループ)を単純に「アビガンを投与しない」群にしなかったのは、そちらに入った人でも、遅れるとはいえアビガンによる治療が受けられるようにして、不利益をできるだけ減らそうとしたためだと推測できます。 一方で、アビガンをどちらも投与されるので、長い目で見た時の効果は調べにくくなってしまいます。 この研究では、アビガンの短期的な効果に注目して影響を調べつつ、対象者の不利益を減らそうとしたと考えられます。 Q)「有効性は示されず」と報道されました。 どのように解釈すればよいのでしょうか? 現状では「有効性があるともないとも、わからない」ということしかわかりません。 つまり良い意味でも悪い意味でも、「期待はまだ裏切られてはいない」ともいえるかもしれません。 報道で示されているのは、「中間解析」の結果です。 もともと研究に参加する人数は、事前の分析で「このくらいの人数を調べれば、統計的に意味のある差が出そう」ということを予測して決められます。 今回の場合は86人くらいを調べれば「違い」が出るのでは?ということが事前に予測されたわけです。 一方でNHKの報道では今回、86人中の40人を調べた「中間解析」の結果として「現段階で判断するには時期尚早で、臨床研究を継続すべき」と判断された、とされています。 「中間解析」とは、研究に参加してくれる人が全員揃うまで待っていると時間がかかってしまうような場合、ある程度まで揃ったところで、今後も研究を継続すべきかどうかを確認することなどを目的に行われます。 例えば、もしアビガンに事前に予測された以上の実力があり、劇的に効いていた(すなわち、ウイルス消失患者の割合に大きな差があった)場合は、研究は打ち切りになります。 それ以降も続けることは「もう結果が見えているのに、アビガンを使うまで何日か待たされる」人が増えてしまうので、倫理的な問題が生まれるからです。 逆に、アビガンを飲んだ人に副作用が頻発し、安全性が問題視されるような事態が判明した場合は、やはり研究は打ち切られます。 今回、どちらでもなく「継続」の判断が下されたとすれば、最低限推察できるのは「現段階では結論を出せない」ということでしょう。 事前の想定をくつがえすような劇的な効果は見られず、逆に、おそらくは深刻な副作用もなかったということです。 今回の研究は、結果を評価するポイントが「試験参加から6日目」と比較的早い分、最終結果が出るまでもそれほど長い時間はかからないと思われます。 86例すべてのデータがそろった段階での結果を待ちたいと思います。 *本記事は5月20日「Yahoo! 個人」に掲載されたを転載しました。

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新型コロナの有望薬「アビガン」「レムデシビル」ってどんな薬?:日経ビジネス電子版

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明確なソース(情報源)を示した記事はありませんが、複数の報道機関が同時に同じような内容を報じていますので、ある程度は根拠のあることだと推測できます。 さて、この報道をどのように理解すればよいのでしょうか?期待の高かったアビガンですが、新型コロナウイルスの治療薬としては「効果がない」ということなのでしょうか?専門家に聞きました。 【情報は5月20日段階。 内容は五十嵐中さんのの記述をもとに、追加の情報や質問を加えたものです】 質問に答えてくれたのは、医療統計や医療経済学を専門にする五十嵐中さん(横浜市立大学准教授)です。 Q)そもそも、報道された研究はどんな内容のものなのでしょうか? 研究の内容は国立保健医療科学院の「臨床研究実施計画・研究概要公開システム」でされています。 研究の正式な名称は「SARS-CoV2感染無症状・軽症患者におけるウイルス量低減効果の検討を目的としたファビピラビルの多施設非盲検ランダム化臨床試験」というものです。 対象となるのは、PCR検査で新型コロナウイルスの感染が確認された、「無症状または軽症の人」86人です。 (感染前と全く同じ生活ができているか、激しい活動は出来なくても歩行や軽い家事などはできる人) その人たちを2つのグループに分けます。 1)試験開始後すぐにアビガンを飲み始め、10日目まで飲み続ける人 2)試験開始から5日間はアビガンを使わず、6日目から15日目まで飲み続ける人 どちらの参加者も、試験開始から6日目に検査を行います。 6日目の時点では、2)の人はまだアビガンを飲んでいないわけですから、実質的に「1)アビガンを飲んだ人」と「2)アビガンを飲んでいない人」を比較することになるわけです。 そして6日目の検査の結果 「新型コロナウイルスが消失した人」がどのくらいいるかを1)と2)で比べます(メイン)。 さらに、 「試験開始時点と比べてウイルスの量が90%減った人」の割合や、ウイルスの量の変化なども比べます(サブ)。 その結果、もし1)のほうが2)よりも成績が良ければ、「アビガンにウイルスの量を減らす効果があるのではないか?」ということが調べられるわけです。 Q)なるほど、ありがとうございます。 なぜわざわざ「投与期間を変える」デザインをしたのでしょうか? 対照群(比較のもとになるグループ)を単純に「アビガンを投与しない」群にしなかったのは、そちらに入った人でも、遅れるとはいえアビガンによる治療が受けられるようにして、不利益をできるだけ減らそうとしたためだと推測できます。 一方で、アビガンをどちらも投与されるので、長い目で見た時の効果は調べにくくなってしまいます。 この研究では、アビガンの短期的な効果に注目して影響を調べつつ、対象者の不利益を減らそうとしたと考えられます。 Q)「有効性は示されず」と報道されました。 どのように解釈すればよいのでしょうか? 現状では「有効性があるともないとも、わからない」ということしかわかりません。 つまり良い意味でも悪い意味でも、「期待はまだ裏切られてはいない」ともいえるかもしれません。 報道で示されているのは、「中間解析」の結果です。 もともと研究に参加する人数は、事前の分析で「このくらいの人数を調べれば、統計的に意味のある差が出そう」ということを予測して決められます。 今回の場合は86人くらいを調べれば「違い」が出るのでは?ということが事前に予測されたわけです。 一方でNHKの報道では今回、86人中の40人を調べた「中間解析」の結果として「現段階で判断するには時期尚早で、臨床研究を継続すべき」と判断された、とされています。 「中間解析」とは、研究に参加してくれる人が全員揃うまで待っていると時間がかかってしまうような場合、ある程度まで揃ったところで、今後も研究を継続すべきかどうかを確認することなどを目的に行われます。 例えば、もしアビガンに事前に予測された以上の実力があり、劇的に効いていた(すなわち、ウイルス消失患者の割合に大きな差があった)場合は、研究は打ち切りになります。 それ以降も続けることは「もう結果が見えているのに、アビガンを使うまで何日か待たされる」人が増えてしまうので、倫理的な問題が生まれるからです。 逆に、アビガンを飲んだ人に副作用が頻発し、安全性が問題視されるような事態が判明した場合は、やはり研究は打ち切られます。 今回、どちらでもなく「継続」の判断が下されたとすれば、最低限推察できるのは「現段階では結論を出せない」ということでしょう。 事前の想定をくつがえすような劇的な効果は見られず、逆に、おそらくは深刻な副作用もなかったということです。 今回の研究は、結果を評価するポイントが「試験参加から6日目」と比較的早い分、最終結果が出るまでもそれほど長い時間はかからないと思われます。 86例すべてのデータがそろった段階での結果を待ちたいと思います。 *本記事は5月20日「Yahoo! 個人」に掲載されたを転載しました。

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新型コロナ治療薬、なぜアビガンよりレムデシビルが先に承認されたのか?

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「アビガン」がウイルスの増殖を防ぐ仕組み(クリックで拡大)出典:富士フイルム 「アビガン」は、国内で抗インフルエンザウイルス薬として製造販売承認を取得している薬剤である。 ウイルスのRNAポリメラーゼを選択的に阻害することでウイルスの増殖を防ぐメカニズムを持ち、インフルエンザウイルスと同種のRNAウイルスである新型コロナウイルスに対しても効果が期待されている。 既に臨床研究や観察研究の枠組みの中で新型コロナウイルス感染症患者に対する投与が開始されている。 これらに合わせて、日本政府は緊急経済対策の1つとして「アビガン」の備蓄量を200万人分まで拡大することを決定している。 4月15日には富士フイルムグループで9月までに月産約30万人分(3月上旬に比べて約7倍)に増産することを発表しているが、それに前後して原材料や原薬メーカーの増産も進んでいる。 デンカは4月2日に「アビガン」の原料となるマロン酸ジエチルを5月から生産開始することを発表した。 マロン酸ジエチルは、合成香料、農薬、医薬品などの原料として使用される有機化合物で「アビガン」の原料となる。 デンカは国内唯一のマロン酸ジエチルメーカーで、その原料となるモノクロル酢酸も国内で唯一、関連会社であるデナックで生産している。 デンカでは、市場競争の中で2017年4月にマロン酸ジエチルの生産をやめていたが、日本政府の要請により、今回この停止ラインを再稼働する。 カネカは新たに「アビガン」の原薬を供給することを2020年4月16日に発表している。 同社は、医薬品のプロセス開発力と製造技術、品質などが評価を受け、世界各国の大手製薬会社に向けて原薬などについても多くの導入実績を持つ。 今回は「アビガン」増産を迅速に進める他、国内での供給体制が求められることから、原薬供給を要請されたとしている。 設備投資、人員配置転換や生産計画調整により製造体制を整え、7月から原薬の供給を開始予定だとしている。 関連記事• 富士フイルムは2020年4月15日、子会社である富士フイルム富山化学において新型コロナウイルス感染症に効果が期待される抗インフルエンザウイルス薬「アビガン」を増産すると発表した。 MONOist、EE Times Japan、EDN Japanのアイティメディア製造業向け3媒体は「新型コロナウイルス感染症のモノづくりへの影響に関するアンケート調査」を実施した。 調査期間は2020年3月16〜25日で、有効回答数は217件。 本稿では、その内容について紹介する。 日本政府が緊急事態宣言と合わせて発表した「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」は事業規模で総額約108兆円に上る。 同経済対策において、製造業はどのような支援を受けられるのだろうか。 ルネサス エレクトロニクスはオープンソースの設計仕様に基づいた移動式人工呼吸器のレファレンスデザインを作成した。 人工呼吸器システムの開発短縮化につながる可能性。 東レは2020年4月13日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策として、国内向けにマスク用不織布の供給体制を強化すると発表した。 シャープは2020年3月24日、三重県多気郡多気町の同社工場において不織布マスクの生産を開始したと発表した。 シャープも含め、日本政府のマスク増産要請に応じた増産10社の生産増加分は月4500万枚以上になる見込みだ。 関連リンク•

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